理学療法士監修|読了目安:7分
「夜の激痛が少し落ち着いてきた」「でも肩がどんどん動かしにくくなる」
それは、五十肩が炎症期から拘縮期へ移行し始めているサインかもしれません。 このタイミングでの対応次第で、 回復までの期間や可動域の戻り方が大きく変わります。
本記事では、炎症期と拘縮期の違い、 見逃してはいけない移行サイン、 そしてこの時期にやるべきこと・避けるべきことを 理学療法士の視点でわかりやすく解説します。
五十肩の3つの時期
五十肩(肩関節周囲炎)は、一般的に次の3段階で経過します。
- 炎症期:安静時痛・夜間痛が強い
- 拘縮期:痛みは軽減するが動きが悪くなる
- 回復期:徐々に可動域が改善する
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炎症期と拘縮期の違い
| 項目 | 炎症期 | 拘縮期 |
|---|---|---|
| 痛み | 強い・夜間痛あり | 軽減傾向 |
| 動かしやすさ | 痛みで動かせない | 硬くて動かない |
| 対応 | 安静・炎症管理 | 可動域改善が重要 |
拘縮期へ移行する主なサイン
① 夜間痛・安静時痛が軽くなる
完全に消えなくても、 「夜の痛みが減って眠れる日が増えてきた」という変化は重要なサインです。
② 肩が硬く感じる・可動域制限が目立つ
痛みよりも「動かない」「引っかかる」感覚が前面に出てきます。
③ 服の着脱・背中に手を回す動作が難しい
日常生活動作での制限が、 はっきり自覚されるようになります。
移行期にやるべき対応
① 痛みのない範囲で可動域運動を開始
炎症が落ち着いてきたら、 徐々に関節を動かすことが回復への鍵になります。
② 肩甲骨の動きを意識する
肩関節だけでなく、 肩甲骨を一緒に動かすことで負担を減らせます。
肩甲上腕リズムといって、腕を挙げるとき上腕骨(肩関節)と肩甲骨が一定の割合で協調して動くメカニズムがあります。肩甲骨の動きが悪くなり、肩甲上腕リズムが崩れると、上腕骨頭が上方・前方へ偏位、肩峰下スペースが狭くなる、棘上筋・滑液包が圧迫されるといったことが起こりやすくなります。そのため、肩甲骨の動きを意識した肩の動きやエクササイズが重要になります。

肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の動きが合わさって肩関節の運動となる

③ 痛みを基準に負荷を調整
翌日に痛みが強く残らないかを 目安に進めましょう。



背筋を伸ばして肩甲骨どうしを寄せるようにゴムを引くと、肩甲骨と体幹の運動になる
拘縮期を過ぎると、五十肩は徐々に回復へと向かい、最終的には「解凍期(回復期)」へと移行していきます。
この回復期の過ごし方によって、可動域の戻り方や再発リスクが大きく変わります。
👉 解凍期(回復期)の見極めと完治に向けたステップ
この時期に避けたい行動
- 勢いをつけたストレッチ
- 痛みを我慢しての可動域訓練
- 自己流の強いマッサージ
医療機関への相談目安
- 可動域制限が急激に強くなった
- 数か月経っても改善が乏しい
- 日常生活に大きな支障が出ている
五十肩のケアを理解したい方へ
▶ 四十肩・五十肩の初期症状とセルフケア
▶ 拘縮期の正しいリハビリ・ストレッチ完全ガイド|五十肩の可動域を安全に取り戻す方法
よくある質問
移行サインが出たらすぐ運動していいですか?
痛みが出ない範囲から段階的に始めることが重要です。
拘縮期は必ず来ますか?
多くの場合にみられますが、早期対応で軽く済むこともあります。
執筆:理学療法士|本記事は一般情報であり、診断・治療は医療機関で行ってください。

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