「寝ていると肩がズキズキ痛む」「横向きで寝られない」「夜だけ痛みが強くなる」 ——これは肩の“夜間痛(やかんつう)”と呼ばれる状態で、四十肩・五十肩をはじめ、肩の炎症や姿勢の問題が隠れていることがあります。
この記事では、理学療法士の知見をもとに、夜間痛の原因・セルフチェック・自宅ケア・医療受診の目安まで完全に整理しました。 夜にうずいて困っている方は、この記事だけで全体が理解できます。
夜間痛とは?【特徴と典型症状】
夜間痛(やかんつう)とは、昼間よりも夜に痛みが強くなる・寝ているとズキズキするといった症状を指します。 肩関節まわりの炎症や、姿勢・血流・腱板の挟み込み(インピンジメント)が背景にあることが多いです。
✔ 夜間痛の典型例
- 寝返りのたびに肩が痛む
- 横向きで寝られない(患側を下にできない)
- 布団に入るとジンジンとうずき出す
- 肩が熱い・張っている感じがある
- 夜中に痛みで目が覚める
夜間痛が起こる原因【医学的にわかりやすく】
夜間痛は、主に以下の要因が重なって生じます。
① 肩の「炎症」が強い時期(四十肩・五十肩)
四十肩・五十肩の急性期(炎症期)では、特に夜間痛が強く出ます。 寝て血流が変化することで炎症が悪化し、痛みが強く感じやすくなります。
② 横向きで肩を圧迫している
横向き寝では、肩の外側(上腕骨外側)に強い圧がかかり、炎症組織を刺激します。 これがズキッとする夜間痛の典型です。

③ 腱板が挟み込まれやすい姿勢になる(インピンジメント)
仰向けで腕の位置が悪いと、棘上筋腱や肩峰下滑液包が圧迫され、痛みにつながります。
④ 血行不良(冷え)
夜間は体温が低下するため、血流が悪くなり痛みを感じやすくなる特徴があります。
- 夜間痛のメカニズムは以下のような流れが考えられます。
-
夜になる → 体温低下→ 血管収縮 → 肩周囲の血流低下→ 炎症部位の循環不良・冷え→ 痛み物質が滞る
→ 夜間痛として自覚しやすくなる

夜間痛のセルフチェック|原因を簡単に見分ける方法
次のチェックで、おおよその原因の方向性がわかります。
✔ チェック1:横向きで痛む → 圧迫による炎症が疑わしい
横向きだけ痛い場合、滑液包炎・上腕骨外側の圧迫が原因のことが多いです。
✔ チェック2:仰向けで腕を伸ばすと痛い → インピンジメントの可能性
腕の角度によって痛む場合、腱板や滑液包が挟まれている可能性があります。
✔ チェック3:昼間も痛い・夜はさらに悪化 → 四十肩・五十肩の炎症期
典型的な夜間痛。安静時痛(じっとしていても痛い)が特徴です。
✔ チェック4:肩に熱感・張り → 炎症が強いサイン
肩を触ったときに熱っぽさや張りを感じる場合、炎症がまだ強く残っている可能性があります。
この状態では、夜間痛が出やすい時期と考えられます。安静やアイシングで患部の負担を減らして、痛みのない範囲での軽い肩の動きを行っていきます。
おりひくアイシングは「軽く・短時間」
炎症が強い時期のアイシングは有効です。
1回 10〜15分程度
1日 1〜2回まで
夜間痛の改善方法|自宅で今すぐできるケア
① 寝る姿勢を工夫する(効果が大きい)
- 横向き寝では痛い側を上にする
- 抱き枕で腕の重さを支える
- 肩が前に落ちないようタオルで調整:横向きで寝るときは、タオルを脇の下から胸の前に入れ、上側の肩が前に落ちないよう支えると、夜間の肩痛を軽減しやすくなります。






② 温める → 血行促進で痛み軽減
入浴・ホットパック(10〜15分)で肩を温めると、明らかな軽減が期待できます。
③ 痛みの強い日は無理にストレッチしない
炎症期に無理なストレッチを行うと、夜間痛がむしろ悪化します。 痛みを感じる程度が10段階中で0〜3の範囲だけ動かすのがポイントです。
④ 軽めの振り子運動(コッドマン)
負担が少なく、夜間痛の改善と回復期への移行を助けます。




病院に行くべき夜間痛のサイン
- 痛みで毎晩眠れない(2週間以上)
- 安静にしていても常にズキズキする
- 腕が上がらなくなってきた
- 肩が腫れて熱をもっている
夜間痛は軽い炎症でも起こりますが、強い夜間痛が続く場合は四十肩・腱板損傷・滑液包炎の可能性が高いため、一度整形外科の受診を推奨します。
夜に肩が痛くなる症状については「肩の痛みの種類まとめ」でも症状別に解説しています。
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よくある質問(FAQ)
Q. 夜間痛は放置しても自然に治りますか?
炎症が収まれば軽減しますが、放置すると可動域制限が残るケースもあります。
Q. 冷やした方がいい?温めた方がいい?
炎症の急性期(痛みが急増した時)は冷やす。慢性期・夜間痛には温める方が有効です。
Q. 夜間痛でも運動していい?
痛みが強い日は控えめに。痛み0〜3/10の範囲なら可。



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