「肩を横に上げる途中だけ激しく痛む…」
「90〜120°あたりで引っかかる感じがする」
これは外転痛(ペインフルアーク)と呼ばれる典型的な症状で、腱板(特に棘上筋)の炎症やインピンジメントで多く見られます。
この記事では、理学療法士の知見をもとに、
・外転痛のメカニズム
・考えられる原因
・自分でできるチェック方法
・セルフケア(ストレッチ・運動)
・病院に行くべきタイミング
を体系的にまとめました。
「外転するとズキッと痛む」「肩が上げづらい」と悩んでいる方に、最短で原因と対策がわかる内容になっています。

外転痛(ペインフルアーク)とは?
腕を横に上げるとき、60〜120°の間だけ痛みが強く出る症状を指します。
この角度は、肩峰(かたの上側の骨)と上腕骨の間がもっとも狭くなる区間で、腱板が挟まりやすくなるためです。

外転痛の主な原因
外転痛の背景には、次のどれか(または複数)が関わることが多いです。
① 棘上筋(腱板)の炎症・損傷
肩を横に上げる初期動作の中心となる筋肉で、疲労や使いすぎで炎症が起きやすい部位です。
軽い損傷(部分断裂)がある場合もあります。
② インピンジメント症候群
肩峰と上腕骨の間で腱板が挟まれ、擦れることで痛みが出る状態です。
重いものを持つ動作や、肩をよく使うスポーツで発生しやすいです。
③ 上腕二頭筋長頭腱炎
肩の前側の痛みと合わせて外転痛が出るケースがあります。
④ 四十肩・五十肩の初期
初期はインピンジメントに似た痛みを出すことがあります。
凍結肩(可動域制限)に移行する前段階で痛みが強い時期です。
⑤ 姿勢の崩れ(巻き肩・猫背)
肩甲骨の位置が前にずれると、肩峰下が狭くなり腱板が挟まりやすくなります。
自分でできる外転痛セルフチェック
以下のテストで外転痛の特徴を確認できます。
✔ ペインフルアークテスト
- 腕をゆっくり横に上げていく
- 60〜120°の間で痛みが強い
- それを超えると痛みが軽くなる
→ このパターンは腱板損傷・インピンジメントの典型です。
✔ 痛みの出る角度が毎回同じ
外転痛は角度に特徴があるため、毎回ほぼ同じ角度で痛みが出ます。
✔ 腕を前から上げると痛みが少ない
腱板を挟みやすいのは外転動作のため、屈曲(前から上げる)では痛みが軽いことがあります。
外転痛のセルフケア(効果の高い順)
① 炎症が強い時期:まずは「負担を減らす」
痛みが強い初期は無理に動かすと悪化します。
- 痛みが出る角度の反復動作を避ける
- 重い物を腕を伸ばしたまま持たない
- 内巻き姿勢を避ける
② 肩甲骨の位置を整える(姿勢改善)
巻き肩・猫背はインピンジメントの最大要因です。
◎ 胸をひらくストレッチ(1日2〜3回)

③ 棘上筋の負担を減らす運動
肩甲骨周りの筋肉(前鋸筋・僧帽筋下部)を使えるようにすると外転痛が軽減します。


④ 軽めのチューブトレーニングやダンベルトレーニング(痛みが落ち着いた後)
棘上筋は強い負荷には弱いので、軽負荷でのトレーニングが適しています。
- 左右の腕をゆっくり横に開き60°の高さまで上げてから元の位置までおろす
- 肩がすくまないように注意する
- 60°程度までの運動が棘上筋を効率よく働かせることなる

外転痛で病院に行くべきタイミング
- 痛みが3週間以上続く
- 夜にズキズキうずいて眠れない
- 肩が急に上がらなくなった
- 力が入りにくい、腕が重い
腱板の断裂・石灰沈着性腱炎など、医療的な治療が必要なケースもあります。
まとめ:外転痛は原因を理解すれば改善できる
外転痛は腱板への負担が集中する“特定の角度”で痛みが出る特徴があります。
多くの場合、
- 棘上筋の炎症
- インピンジメント
- 姿勢の崩れ
- 肩甲骨の不安定性
といった要因を改善すると痛みは軽減していきます。
あなたの痛みが続くときは、早めに専門家に相談してください。
次に読むと改善が進みます

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