夕食は何時まで?中性脂肪・LDLが気になる人の夜ごはん|理学療法士が解説

📋 この記事でわかること

  • 夜遅い食事が脂質の数値と関わる理由(体内時計の考え方)
  • 夕食は何時までが目安か(就寝時刻別の早見表)
  • 夕食が遅くなる日の食べ方の工夫
  • 遅い時間でも選びやすいもの・控えたいもの
  • 間食・夜食をしたいときの選び方
  • コンビニで済ませる日の選び方
  • 薬を使っている方などの注意点

「仕事が終わるのが遅くて、夕食がどうしても21時や22時になってしまう」

「健康診断で中性脂肪やLDLコレステロールを指摘されたけど、夜遅い食事は何がいけないの?」

こんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

食事の内容を見直すことに加えて、「いつ食べるか」も、生活習慣の中で見直したい要素の一つです。ただし、毎日早く帰れる方ばかりではありません。大切なのは、遅くなる日をゼロにすることより、遅くなる日の食べ方を知っておくことです。

この記事では、都内大学病院で生活習慣病リハビリに携わる理学療法士・糖尿病療養指導士の立場から、中性脂肪やLDLコレステロールが気になる方向けに、夕食の目安時間と、遅くなる日や夜に何か食べたいときの選び方を解説します。

目次

夜遅い食事が脂質の数値と関わる理由

まず、なぜ「いつ食べるか」が大切なのかを整理します。理由を知っておくと、これから紹介する目安時間やルールを、無理なく続けやすくなります。

体内時計と食事の関係

昼は活動、夜はエネルギーをためやすいという体内時計と食事の関係を表した図解

私たちの体には約24時間周期の体内時計があり、消化・吸収・代謝にも影響しています。近年は「何を」「どれだけ」食べるかに加えて、「いつ食べるか」にも注目する「時間栄養学」という考え方が知られるようになりました。

一般に、夜は日中より体がエネルギーを蓄えやすい状態になると考えられています。そのため、同じ内容の食事でも、時間帯によって体への影響が変わる可能性があるという見方があります。ただし、これは考え方の一つであり、個人差も大きい点には注意が必要です。

食事の時間だけでなく、睡眠の時間や、光を浴びるタイミングも体内時計に関わります。夜遅くまで明るい場所で過ごす生活が続くと、体内時計が乱れやすいともいわれています。食事の時間を整えることは、生活リズム全体を整える入口にもなります。

夜遅い食事や夕食後すぐに寝る習慣と肥満・脂質の関係

日本人を対象にした研究を整理したレビューでは、夜遅い食事や夜食は肥満との関連を示す報告がある一方、関連がみられなかった報告もあり、結果は一致していません。中性脂肪やLDLコレステロールについても、「夜遅く食べたから上がる」と言い切れる段階ではありません。

ただ、遅い夕食は、空腹をがまんした反動で食べ過ぎたり、脂っこいものやお酒を選んだりしやすい生活パターンにつながります。その結果として数値に影響しやすいと考えると、対策も立てやすくなります。

おりひく

外来で食事の話を聞くと、夕食の内容そのものより「遅い時間に、疲れて、多めに食べている」ことが背景にある方が少なくありません。内容と同じくらい、時間と量も見直すポイントです。

夕食は何時までが目安?就寝時刻から逆算しよう

夕食を終えてから約3時間あけて就寝するまでの流れを表したイラスト

「何時まで」という答えは、寝る時刻によって変わります。ここでは、時刻を一律に決めるのではなく、就寝時刻から逆算する考え方と、すぐ使える早見表を紹介します。

目安は「就寝の2〜3時間前まで」

食事から就寝までに2〜3時間あけておくと、消化が進んでから眠りにつきやすくなります。脂質の多い食事は消化に時間がかかるため、揚げ物などを食べる日は特に早めを意識しましょう。

反対に、軽めの食事であれば、2時間程度でも負担になりにくいと考えられます。内容と量に合わせて、2〜3時間の幅の中で調整してみてください。

夕食後すぐに寝てしまうと、胃に食べ物が残ったまま横になることになり、寝つきや睡眠の質にも影響しやすくなります。睡眠が乱れると食欲に関わるホルモンのバランスも崩れやすいため、食事と睡眠は切り離さずに考えることが大切です。

就寝時刻別の早見表

就寝時刻ごとに、夕食を終えたい時間の目安をまとめました。

就寝時刻 夕食を終えたい時間の目安
22時ごろ 19〜20時ごろ
23時ごろ 20〜21時ごろ
24時ごろ 21〜22時ごろ
1時ごろ 22〜23時ごろ

※あくまで目安です。個人の生活リズムや食事内容によって、調整して構いません。

たとえば23時ごろに寝る方なら、20〜21時ごろまでに食べ終えるイメージです。帰宅が遅く間に合わない日は、次の章で紹介する分食などの工夫を組み合わせてください。

おりひく

「何時までに食べればいいですか?」とよく聞かれますが、私は「寝る時間から3時間引いてみましょう」とお伝えしています。時刻を覚えるより、自分の生活に当てはめやすいようです。

夕食が遅くなる日の食べ方の工夫

仕事や用事で、どうしても夕食が遅くなる日はあります。そんな日は「食べない」より「食べ方を工夫する」ほうが現実的で、続けやすい方法です。ここでは、すぐ使える3つの方法を紹介します。

夕方に軽く食べる「分食」

夕方に軽く食べておき、帰宅後の夕食は量を減らす分食のイメージ

夕方に、おにぎり1個やサラダなどの軽い食事を先にとり、帰宅後の夕食は量を減らす方法です。強い空腹の状態で遅い時間に食べ始めると、早食いや食べ過ぎにつながりやすくなります。先に少し食べておくと、帰宅後に一気にたくさん食べることを防げます。

外来で夕食が遅い方に話を聞くと、帰宅後に空腹のまま食べ始めて、気づくとお代わりをしていた、という声をよく耳にします。夕方に少し食べておくだけで、この流れが変わる方もいらっしゃいます。

農林水産省の食育のページでも、夕方におにぎりなどの主食を食べておき、帰宅後は副菜やおかずを中心にする食べ方が紹介されています。

量と脂質を控えめにする

遅い時間の夕食は、揚げ物や脂身の多い肉、こってりした味付けを避けて、量を減らしましょう。主食を減らし、野菜やたんぱく質を中心にすると、胃への負担も軽くなります。

お茶碗のごはんをいつもの半分にする、揚げ物は衣を外す、汁物を具だくさんにして満足感を出す、といった小さな工夫でも続けやすくなります。

食べる順番を意識する

野菜から食べ、最後に主食を食べるという食べる順番を示したイラスト

野菜や汁物から食べはじめ、主食は最後にします。食べるスピードもゆっくりにすると、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎやすくなります。忙しい日でも、最初の一口を野菜や汁物にするだけで取り入れられます。

遅い時間でも選びやすいもの・控えたいもの

遅い時間に選びやすい食品と控えたい食品を左右で比較した図解

「夜遅いと何を食べればいいかわからない」という声はよく聞きます。ここでは、遅い時間でも比較的選びやすい食品と、控えたい食品を表にまとめます。絶対に食べてはいけないというものではなく、選ぶときの目安として使ってください。

区分 食品の例 ポイント
選びやすいもの 豆腐、納豆、温かいスープ・味噌汁、野菜、焼き魚・刺身、卵(1日1個程度)、無糖ヨーグルト 脂質が少なめで、消化しやすいものを中心にする
控えたいもの 揚げ物、ラーメンなどの麺類、大盛りの白米、甘い菓子・デザート、アルコール 脂質・糖質が多く、中性脂肪が上がりやすい。アルコールは中性脂肪を上げやすい

※納豆は、ワーファリンという血液をサラサラにする薬を使っている方は、摂取を避ける必要があります。必ず主治医に確認してください。

控えたいもののなかでも、気をつけたいポイントは、中性脂肪とLDLコレステロールで少し違います。中性脂肪が気になる方は、白米や麺、甘い菓子などの糖質とアルコールを、LDLコレステロールが気になる方は、牛・豚の脂身、バター、生クリームなど、飽和脂肪酸の多い食品を特に意識しましょう。揚げ物は、どちらの方も遅い時間は控えたい食品です。

「選びやすいもの」も、食べ過ぎては意味がありません。たとえば豆腐や魚でも、量が多ければ遅い時間の負担になります。何を食べるかと同時に、どれくらい食べるかも意識してください。

おりひく

夜遅くに食べたくなるのは、空腹だけでなく、疲れやストレスの影響も大きいと感じます。まず温かいスープや味噌汁を一口飲むだけでも、気持ちが落ち着く方がいらっしゃいます。

中性脂肪を下げる食事については中性脂肪を下げる食事メニュー、LDLコレステロールについてはLDLコレステロールを下げる食事メニューで詳しく解説しています。

コンビニで済ませる日の選び方

夜のコンビニで、おにぎりやサラダ、豆腐、スープを選んでいる男性のイラスト

残業や外出で帰りが遅くなり、夕食をコンビニで済ませる日もあると思います。コンビニは「何を選ぶか」で、脂質や糖質の量が大きく変わります。商品は店舗や時期によって異なるため、ここでは食品の種類で考えます。迷わず選べるように、基本の考え方と組み合わせ例を紹介します。

基本は「主食は小さめ+たんぱく質+野菜・汁物」

遅い時間は、主食をおにぎり1個程度にとどめ、たんぱく質のおかずと、野菜や汁物を組み合わせるのが基本です。おにぎりの具は、鮭・梅・昆布など脂質の少ないものが選びやすく、マヨネーズを使った具は控えめにしましょう。

状況 組み合わせ例 ポイント
軽く済ませたい日 おにぎり1個+サラダ+具だくさんのスープ・味噌汁 主食は1個にとどめ、野菜と汁物でボリュームを出す
たんぱく質をしっかりとりたい日 焼き魚の惣菜、またはサラダチキン+カット野菜+豆腐 主食は少なめにし、脂質の少ないたんぱく質を選ぶ
夜食程度にしたい日 無糖ヨーグルト+ゆで卵 小腹を満たす程度の量にとどめる

避けたい選び方

唐揚げ・フライ・コロッケなどの揚げ物、ラーメンなどの麺類、菓子パンや洋菓子、アルコールは、脂質や糖質が多くなりやすいため、遅い時間は控えめにしましょう。レジ横のホットスナックは手軽ですが、揚げ物が中心です。

栄養成分表示を見るコツ

迷ったときは、パッケージの栄養成分表示で、エネルギー(kcal)と脂質(g)を見比べてみましょう。同じような見た目の商品でも、数字が大きく違うことがあります。細かい基準を決めるより、「2つで迷ったら、数字の小さいほうを選ぶ」くらいの使い方が続けやすくなります。

スープや味噌汁、惣菜は、塩分が多めのこともあります。血圧も気になる方は、汁を飲み切らない、食塩相当量の表示を確認するなどの工夫をしましょう。血圧については血圧を下げる食事メニューも参考にしてください。

夜に間食・夜食をしたいときの選び方

夕食を早めに済ませても、寝る前に小腹が空くことはあります。ここでは、間食や夜食をしたくなったときの考え方と、選び方を解説します。がまんし過ぎず、上手に付き合うための参考にしてください。

まず「本当に空腹か」を確認する

夜に間食をする前に温かいお茶を飲んで一息ついている男性のイラスト

のどの渇きや、ストレス・退屈が原因で食べたくなることも多いものです。まず水や白湯、お茶を飲んで、少し様子を見ましょう。それでも空腹が続くようなら、次の「少量・低脂質」の選択に進みます。

食べるなら「少量・低脂質」を

どうしても食べたい場合は、無糖ヨーグルト、ゆで卵、豆腐、バナナなど、少量で脂質の少ないものを選びましょう。量は小さな器1杯程度を目安にします。食べた後はすぐに横にならず、少し時間をおいてから休むのが理想です。

夜食の習慣がある方は、まず週に何回食べているかを書き出してみるのも一つの方法です。回数を減らすことから始めると、無理なく続けやすくなります。

避けたい夜食の組み合わせ

ラーメン、スナック菓子、ケーキなどの洋菓子、アルコールとおつまみの組み合わせは、脂質・糖質が多くなりやすいため、習慣にしないようにしましょう。たまの楽しみとして取り入れる分には構いませんが、毎晩の習慣になると数値への影響が心配になります。

注意が必要な方

食事の時間を変える前に、薬の使用について主治医に相談している男性のイラスト

食事の時間を変える工夫は、基本的には多くの方に役立ちます。ただし、一部の方は注意が必要です。当てはまる場合は、自己判断で進めず、必ず主治医に相談してください。

血糖を下げる薬・インスリンを使っている方

食事の時間や量を大きく変えると、低血糖を起こすリスクがあります。夕食を抜いたり、大きく時間をずらしたりする前に、必ず主治医に相談してください。

夜勤・交代勤務の方

生活リズムが日によって大きく変わるため、「就寝時刻から逆算する」考え方を、自分の「睡眠の時間帯」に置き換えて使いましょう。勤務の種類ごとに、食事から睡眠までの間隔を意識してみてください。

逆流性食道炎などがある方

食後すぐに横になると、症状が出やすくなります。食事から就寝まで十分にあけることが特に大切です。症状が気になる場合は、医師に相談しましょう。

脂質異常症などの薬を使っている方

スタチン系などの脂質異常症の薬を服用中の方は、食事の時間を変えても、自己判断で薬の量や飲む時間を変えないでください。薬の飲み方で気になることがあれば、主治医や薬剤師に相談しましょう。

このほか、持病がある方や妊娠中・授乳中の方も、食事の時間や内容を変える前に、医師へ相談すると安心です。

食事だけで補いにくいときは

忙しくて、食事内容まで気を配るのが難しい日が続くこともあります。そんなときの補助的な方法として、サプリメントを活用する選択肢もあります。ここでは、考え方だけ簡単に紹介します。

サプリメントは、食事や生活習慣の見直しの代わりになるものではなく、あくまで補助です。そのうえで、魚を食べる機会が少ない方にはEPA・DHAサプリのおすすめ比較、納豆が苦手な方にはナットウキナーゼサプリのおすすめ比較で、選び方を解説しています。薬を使っている方は、使う前に必ず主治医や薬剤師に相談してください。

よくある質問(FAQ)

夜の食事について、外来でよくいただく質問をまとめました。気になる項目から読んでみてください。

夕食が21時を過ぎる日は、食べないほうがいいですか?

一律に食べないほうがよいとはいえません。空腹のまま寝て、睡眠の質が下がることもあります。量を減らし、脂質の少ないものを選ぶことをおすすめします。血糖を下げる薬を使っている方は、必ず主治医に相談してください。

夜食にフルーツやヨーグルトはいいですか?

無糖のヨーグルトや、少量のバナナなどは選びやすいものです。ただし、果物は糖質も含むため、量は控えめにしましょう。

お酒は何時まで飲んでもいいですか?

アルコールは中性脂肪を上げやすいため、特に中性脂肪が高い方は控えめにし、飲む日は量と時間を決めておくことをおすすめします。

LDLコレステロールが気になる場合、夜に特に控えたいものはありますか?

牛・豚の脂身、バター、生クリームなど、動物性の脂肪に多い飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを上げやすい脂質です。洋菓子や、脂身の多い肉を使った料理にも多く含まれるため、遅い時間にまとめて食べるのは避けましょう。夜だけでなく、普段の食事全体で見直すことが大切です。詳しくはLDLコレステロールを下げる食事メニューで解説しています。

朝食を抜いて、夜にまとめて食べるのはどうですか?

夜に食べる量が増えると、遅い時間の食事が重くなりやすくなります。可能であれば、朝・昼・夜に分けてバランスよく食べることをおすすめします。

効果はいつ頃から出ますか?

食事の時間の見直しだけで、数値がすぐに変わるとは限りません。食事の内容・運動・睡眠もあわせて、3か月程度続けてから血液検査で確認するのが目安です。

まとめ

ここまで、夜の食事の時間と食べ方について解説してきました。最後に、押さえておきたいポイントを表で整理します。

ポイント 内容
夕食の目安 就寝の2〜3時間前まで(就寝時刻から逆算する)
遅くなる日 夕方に軽く食べる「分食」+帰宅後は量と脂質を控えめに
選びやすいもの 豆腐・納豆・温かい汁物・野菜・焼き魚・無糖ヨーグルトなど
控えたいもの 揚げ物・麺類・大盛りの白米・甘い菓子・アルコール
注意が必要な方 血糖を下げる薬を使っている方は、必ず主治医に相談する

夕食が遅くなる日があっても、食べ方を工夫すれば、数値を意識した食生活は続けられます。まずは、自分の就寝時刻から3時間引いた時間を、1つの目安にしてみてください。

完璧を目指す必要はありません。遅くなる日があっても、翌日に整えれば十分です。長く続けられる形を見つけることが、数値の改善につながります。

参考にした資料

この記事は、以下の資料などをもとに、研究の結果が分かれている点も含めて整理しました。

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この記事を書いた人

数あるブログの中からkaradaビーズにお越し頂きましてありがとうございます。このブログでは15年間リハビリテーション医療に関わることで気付くことができた経験を共有して、大切な時間を割いてサイトに訪れて頂いた方々のお悩みが少しでも解消できればと思っています。

【経歴】
都内の大学病院で理学療法士として勤務。
整形外科疾患、生活習慣病に対するリハビリテーションに従事し、2020年東京オリンピック・パラリンピックでは医療スタッフとして活動しました。
【資格】
理学療法士(修士課程修了)
認定理学療法士(スポーツ)
心臓リハビリテーション指導士
3学会合同呼吸認定療法士
糖尿病療養指導士

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